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MM体験記第参回  

メタルマックス体験記第参回です。(リオラド北の洞窟)


“サルモネラ一家はどこかの洞窟の奥深くに潜んでいる”

それだけの情報でオレは再び村を出た。
念願の戦車は手に入った。『モスキート』という名前のシャシー(車体)らしい。
副砲ってやつこそは無いけれど、これで化け物とも対等に戦える…はず。
村を出る前にウルフについて聞いてみたら北へ向かったらしい。
よし、オレも北に行ってみるか!
もしかしたら北にサルモネラ一家のいる洞窟があるかもしれないしな。
少なくとも南はもう何も無いのはわかってるし。

ただ途中で気が付いたけど、この戦車の武器(主砲)は弾数に制限がある。
弾は修理屋の兄ちゃんに補充してもらったけど雇ってくれてる修理屋の息子から金取るかよ。
この主砲はサルモネラ一家との戦いに備えて節約しておいた方が良さそうだ。
ここは洞穴で見つけたお金で(ネ、ネコババじゃないぞ!)買ったショットガンで
ザコは蹴散らすとするか!そんな事を考えながら戦車を進めた。


北へ進むと建物が見えたけど、そこから先は山しか無い。
洞窟なんてどこにあるんだ?…と思ったらちょっと細めの脇道を見つけた。
木が生い茂っていたけど戦車が歩くにはまだ影響が無いくらいだったから
そのままズカズカと進んでいくと見えた、洞窟だ。
ここ以外にそれらしいものは見ていない事を考えれば、きっとこの洞窟だろうな!
オレは意気揚々と洞窟の中へ入って行った。



ここにもハンターらしき男。もしかしたらサルモネラ一家を倒そうと??
話を聞けばやはりそうだった。オレが戦車の扱いに慣れていないことに気付くと
戦車の装備が重いと動けなくなることがあり、その場合装甲タイルを剥がすなどして
対処しないと使い物にならないと教えてくれた。なんだか完全に初心者扱いされてるな。
でもまだまだ何も知らないオレにとってはありがたい情報だ。礼だけ言って探索に入る。


木箱から回復カプセルなどを頂戴しつつ奥へ進むと怪しい看板が。
道筋を示すかのように矢印が書かれている。これは罠…なのか??
でも今まで一本道だったから導かれるままに行くしかなさそうだ。
それにしてもさっきからずっと気になっているものがある。

「この骨ってまさか…」

地下へ降りてからあちこちで見かける骨、骨、骨。
これはみんなサルモネラ一家の餌食になったハンターなんだろうか。

「…………」

奥へ行くのを少し躊躇したけどすぐにその迷いを断ち切った。
父ちゃんを見返すためにも、姉ちゃんに美味しい飯をご馳走してやるためにも、
そして悪事を働く奴を懲らしめるためにも、あいつらを倒さないと!
オレは両手で自分の頬を軽くパン、と叩いて気合を入れ直して再発進させる。



更に進むとまた看板。それも二手に分かれているところで。
看板の矢印は左を差している。そこには木箱がある。怪しい。
一方右側はというと…屍だらけだ。こっちも怪しい。目に入る物全てが怪しい。
さあ、どうするオレ。どっちも怪しくて先に進めやしないぞ!!
こうなったらハンターの勘に頼る!だ!!




ボコッ


「うわああああああああーーーっ」

突然巨大な穴がお目見え。勿論落とし穴だ。

オレの勘は見事に不正解へと誘ってくれたみたいだな。我ながら後先が不安だぜ。






ドスーン!と豪快な音を立て戦車ごと下のフロアへオレは落下した。
とりあえず…戦車は無事だな…オレ自身も大丈夫。ちょっとケツが痛いけど。
やっぱり罠だったんだなぁ。くそ、簡単に引っかかるオレもオレか。
そうぼやいていたその時、オレは洞穴でバイオニックポチから感じた
「あの感覚」を再び感じた。それと同時に…

バリリリィッ

「うわぁ!?な、なんだ!!」

何かが戦車に傷をつけている!それだけはわかった。モンスターか!?
正体が見えないそれを振り払うように戦車を思いっきり左右に動かし、
音が静まったところでやけに広いフロアの壁際へ戦車を走りこませた。
冷静になってその正体を凝視する。息が荒い。くそ、落ち着け!

「………ここに…いやがったか…!」

落とし穴を仕掛けたのも、そしてたった今戦車に襲い掛かったのもあのサルモネラ一家!
ポスターの絵の通り赤毛のサルでサングラスをかけ、背中に火炎放射器を背負っている。
ただ、少しだけ違うのは…思わずポスターをくしゃりと曲げる。

「ポスターは2匹しか描いてないじゃねえかっ」

今オレの目の前にいるのは4匹。おいおい倍じゃねえかよ、1対4はキツくないか?
サルモネラ一家はどうやらオレの様子を窺っていたようだがいよいよ動き出した。
もう考えている暇は無い。ぼやぼやしてたらオレもあの骨と同じ末路を辿る。
バイオニックポチとの戦いみたいに、助けが来ることはもうあり得ないのだから。

「行くぞっ!!」

オレは勢い良く戦車を走らせた。1匹ずつ片付けていくのが道理だろうな、と
一番小柄なのを狙うことにする。多分、オレみたいな一番若い奴なんだろう。
主砲をお見舞いするとダメージは与えられているみたいでウギギィと悲鳴を上げてすっ転ぶ。
だけどその間に他のサルがオレの戦車目掛けて火炎放射を浴びせてきた。
勿論オレ自体にダメージは無い。熱だけはジワジワと操縦室に浸入しているけど。
だけど、戦車の装甲が完全に駄目になったときはパーツがイカれてくるという話は聞いていた。
唯一の攻撃方法である主砲が壊れちまったらおしまいだ…!

「くそぉぉっ、耐えろ、耐えろっ、オレのクルマ!」

炎に包まれたままオレはレーダーを見ながら先ほど1撃与えた奴を狙う。
1匹でも減らせれば受けるダメージも減る。ダメージを受けていたせいか
他のサルより距離を取ってそいつは火炎放射器を握っていた。

「あっちぃんだよこのっ!」

ドガンと派手に主砲が鳴り響き、遂に1匹を仕留めた。
家族?を倒されたことにより残りの3匹はメチャクチャ怒るんじゃないかと
思ったりもしたけど、あいつらは至って楽しそうに火炎放射を浴びせてきている。
一家っていうけど家族じゃなくてとかそういうやつなのか?
装甲タイルもだいぶ剥がれてきた。早いところ決着を…と思ったら。

「……は?」

オレは唖然とした。
さっきまで火炎放射をオレにかましてきた一家が何故か騒いでいる。
うかれているというか…何してるんだこいつら?テンション上がりすぎたのか?
だけど勝負は勝負。命賭けてるんだから隙あらば撃たないと。
思わず手を離したレバーをもう一度握り直し、容赦無くオレは主砲を一家に浴びせた。










最後の1匹もとうとう倒れ、生命反応はオレ以外何も無い。

「勝ったん……だな…オレ」

ハッチを開け辺りを見回すとまず鼻をついた焦げ臭いと鉄の臭い。
あと血の臭いに…オレの汗の臭い。ぐっしょりだ。要、洗濯。

「…そういえばこいつらを倒したってどう証明すればいいんだろう」

どうするかなんて確認してなかったけれど、証拠が無いと賞金がもらえなさそうだ。
だからといってこいつらの死体なんか運びたくない。
ひとまず火炎放射器を証拠品にしておくことにして、
既にオイルが切れて使えないその武器を戦車に積み込む。
さっきの戦いで炎を浴びまくった戦車はちょっとガタガタしてるけど主砲は動くし、操縦も利く。
とりあえずは村まで戻って見てもらえばなんとかなりそうだ。
だけど気になっているのが一つだけ。

「さっきの木箱は何が入っていたんだろうなぁー」

地上へ戻る途中その道を再び通ったので今度は裏側から進んでみる。
こっちには落とし穴は仕掛けていないみたいだ。よし、開けてみるか。

「す、すげぇ…」

中に入っていたのは機関銃だ。ええと、解析したら7ミリ機関砲、というらしい。
思わず戦車に積み込んだその時、初めてオレは『それ』を経験した。
レバーを引いてもビクともしない車体。何かの呪いを受けたようなズッシリとした感覚。

「やべ、動かない…まさかこれが『重量オーバー』ってやつか」

場合によっては装甲タイルを数枚剥がすだけでいいって話だよな。
戦車の積載量と限界重量とを確認しつつオレは装甲タイルに手をかけた。
とにかくマイナスが0になるように…と剥がしていたらいつの間にか戦車の周りは
タイルだらけになっていた。装甲がかなり薄くなっちまったみたいだ。

「ある意味落とし穴に引っかかって良かったかもなぁ…」

もし右側から迂回してこれを手にしたあとあいつらと戦っていたら装甲がもたなかったかも
しれないと思うとオレの勘は間違ってはいなかったと訂正した。
これで機関砲を積み込むことができたのでどこか取り付ける穴でも無いかと探すと
丁度サイズがピッタリのところがあったので取り付けてみると、そこは副砲の穴だった。
副砲は主砲に比べ威力は落ちるが弾数は無限みたいだ。
これでオレがわざわざ戦車から降りてショットガンを撃つ必要が無くなったわけだな、と
色々納得しながらオレは村へと戻った。






「やったじゃないか、はんた。この火炎放射器は間違い無くサルモネラ一家のものだ」

ちょっと黒焦げた戦車を父ちゃんに任せてオレは早速ハンターオフィスへ向かい、
先ほど積んだ火炎放射を見せれば兄ちゃんの喜ぶ返事。

「これでこの辺は安泰になるよ、ありがとう、はんた」
「へへ、そうか」

なんだかオフィスの兄ちゃんに言われただけでも照れくさいなぁ。
兄ちゃんは倉庫へと姿を消し、その後賞金の詰まった袋を片手に戻って来た。

「賞金は1,000Gだ。受け取るかい?」

これに「いいえ」と答える奴がいるかよ。
勿論丸々1,000Gをいただいた。こんな大金手にしたのは初めてだ。
途中戦いの記録をつけてくれる姉ちゃんもオレに笑顔を向けてくれた。
なんだろうな、この達成感というか満足感というか!
これこれ!オレがやりたかったこと。
1,000Gの入った袋を持ってオレは揚々と家に戻った。


「はんた!おかえりなさい」
「姉ちゃん、ただいま!もらってきたぜ、賞金!」

安心したような顔をする姉ちゃんに向かって高々と大金が入った袋を天井に掲げた。
ジャラ、と高貴な音がする。姉ちゃんは驚いて目を丸くしていた。

「どうよ?立派なハンターになれただろ?」

父ちゃんにわざといつも以上に小生意気に言ってやると、一瞬だけ驚いた面を見せたものの
すぐにぷいっ、と顔をそらしいつもの頑固な表情に戻る。そしてやっぱりこんな返事。

「フン、勘当されたやつにそんな事言われても嬉しくなんかねぇな!」
「だから勘当ってなんだよ父ちゃん!」
「お前勘当の意味も知らずにいたのか!はぁぁぁ本当にバカな奴だ…」
「なっ!!う、うっせぇ!行こうぜ姉ちゃん、飯おごってやるから!」
「おい、待てはんた!」

この時オレは気づいていなかった。
リオラドの村には、飯を食える店が無かったということを。







結局しょんぼりして帰ってきたオレを迎えてくれたのは父ちゃんの助走付きドロップキックだった。
気が緩んでいたのでそれを顔面に直撃させたオレは卒倒せざるを得なかった。

「全く、ここに18年もいながらお前は何を見ていたんだ」
「お父さん…完全に入ったわ」

その後オレが目を覚ましたのは夜。姉ちゃんがいつも通りメシを作ってくれていた。
父ちゃんはいない。珍しく酒場に行っているとか。
オレがメシにがっついているのを見て姉ちゃんが声をかけてきた。

「ねえ。はんた」
「何?姉ちゃん」
「この後…きっと遠くに行くのよね?」
「??
 あ、うん」

「しばらくここに戻って来なくなるのね?」
「………」

思わずじゃがいもをつまんでいる箸を止めた。そうだ。どこまでも行く旅なんだ。
だからここに戻ってくるのはいつかなんてわからないし、死んだら一生帰ることなんてできない。
姉ちゃんは少し俯いていた顔を上げ、オレの顔を写真の中の母さんに似た瞳で見つめた。

「お父さん、ちょっと不安がっていたの。今日もはんたが戻ってきた時
 クルマを直していたけど、クルマよりはんたが無事だったのか心配していたのよ。
 これからはもっと遠くに行ってしまう。だから…」

「姉ちゃん…大丈夫だって!オレ戦車の運転にも慣れてきたし、大分モンスターとも
 戦えるようになってきた。だから賞金首だって倒せたんだぜ?
 オレはもっとデカい事をするんだ。そのためにここにはしばらく帰らないけど
 必ずそれを成し遂げたら帰ってくるから」

「はんた…気をつけてね、無理しないでね」

姉ちゃんはオレを優しく抱きしめてくれた。小さい頃母さんの代わりにいつもこうしてくれたな。
ひ、久しぶりというかオレもいい歳なんだけど…
この温もりもこれっきりだな。オレはこれから1人で戦うんだ。
あ、その前に…

「姉ちゃん、オレ酒場行って来るわ」

父ちゃんの顔も見ておこう。どうせ明日ここを出るときには顔なんて合わせやしないんだから。
あの頑固な父ちゃんが酒場でどんな面してるのかも気になるしな!

「え??はんた、あ、ちょっと!」

動揺する姉ちゃんを尻目にオレは酒場に走って行った。
リオラドの夜は静かで虫がどっかで鳴いていたり、田舎と言えばそうだけど
酒場はがやがやと賑わっている。1日の仕事を終えたおっさん達の宴だ。



「よう、サルモネラ一家を倒したハンターさん!」

既にできあがっているおっさんが扉を開けたオレを見るなりそう言うと、
その一言を聞いて他のおっさん達も立ち上がる。あーもうみんな顔が赤いぜ。

「もう誰もお前の活躍を知らない奴なんていないぜぇ、はんた!」
「すげぇじゃねえか小僧のくせにガッハッハッハ!!」

酒臭いおっさん達がどんどんオレに絡んできた。顔に当たるアゴヒゲがゾリゾリする。
その中で1人酒を飲んで静かに佇む男…父ちゃん。オレに気付くと据わった目でこちらを見た。

「はんた…」
「わざわざ顔を見に来てやったんだぜ?明日にはここを出るからな。それで…」
「お前未成年だろうがぁぁぁぁぁぁっ!」
「そこかよおおおおおおお!!」

父ちゃんの地獄車が華麗に入り、オレは見事に酒場の窓を突き破って外へ放り出された。
おっさんがゲラゲラ笑っている声を最後にオレはそこで本日2度目のダウン。




翌日…盛大に割られた窓の弁償に、賞金が使われたのは言うまでも無い。






なんだこの後半のアホな話は(呆然)
勿論ゲームではこんなのありません、ご注意ください。地獄車出すなって。
結局勘当の意味を知らないはんたと、知ってるのになんだかそんなムードが無い家族と。
どうでもいいですがはんたは10代後半あたりかなと思っています。
サルモネラ一家の罠には見事にハメられました(笑)でも副砲のを考えると
装甲タイルをはがしていない状態で戦っていた方が安全だったかなとも思えたり。
賞金首を倒した証拠はゲームではただ話しかけるだけなのですが実際は何か
必要かなと勝手に敵の獲物を持ってきてしまいました。これ重さは関係無しで(笑)


これから村を出て1人旅に出てゆくはんた!彼を待ち受けるものは如何に!

次回を待て!!

category: 特別体験記(MM)

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