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MM体験記第壱拾回  

メタルマックス体験記第壱拾回です。(オードリー酒場)


はぁぁ…オレはげんなりした顔でごろつきソルジャーの怒りに満ちた面々を見た。
これでも生身でモンスターと戦ってきた身だ、相手の力量なんて見ればすぐわかる。
こいつらはただのごろつき。ソルジャーなんて立派な肩書きをもらえるほど優れた戦士じゃねえ。
もっとも…このあんじゅは違うみたいだけどな。

「ほらほら、どうしたの?かかって来なよ」

だから相手を挑発するなって。と思ったら早速奴らが飛び掛ってきた。
そこへ威嚇射撃のようにボウガンを撃ち怯んでいる隙にあんじゅが数人を殴り飛ばす。
残る数人の攻撃も避けたり防いだりとなかなかの動きだ。
流石は生身で戦うソルジャーってところだよな。

「腹立つアマだ!死になぁ!」

1人のごろつきがビュ、とナイフを突き出したけどかわされお返しに強烈な膝蹴りを喰らう。
見事腹に命中してあっさり撃沈。この様子だとこのヒトだけで終わるんじゃね?
あんじゅがごろつきをぶちのめしている様子を眺めていると怒号が耳に入る。

「なに余所見してるんだよ!!」

ん?なんだオレにも来ちゃったよ。けどそいつもナイフの扱いがてんでド素人。
モンスターの方がよっぽど凶悪で強いぜ、オレからすればな。
真っ直ぐ向かってきたナイフをたやすくドスで弾くと壁にブスリと刺さった。
…っ、てミッキー危ないなよけろよ!お前かわす気無かったろ!?
こんな状況にも全く動じない完全なる酔っ払いへと化したミッキーを狙う気は無いのか
獲物を失ったごろつきは今度は刺青の入った太い腕でオレに殴りにかかってきた。
勿論そんなのも喰らってたまるか、たやすくかわして腕をぐいっと引っ張り
そのまま待機してるごろつき共へ返品してやった。うおお、とどよめく声。




なんだか、味気ねぇー。




その内ごろつき達に闘志が見られなくなった。
どうやら勝ち目が無いと見たようで、それぞれ舌打ちしたり
ツバを吐いたりしながらゾロゾロと階段を上っていった。
とりあえずこの場は収拾できたみたいだな。…あんじゅは不満そうだけど。

「なんだい、面白くないねぇ。もうちょっと骨のある奴だと思ったのに」

さっき避難していたお客も戻ってきた。
その表情は安堵の色よりやれやれ、という呆れた感じの色が濃い。
壁に刺さったナイフの傍らでアルコールを大量に摂取したミッキーはぼけーっと座り込んでいる。
ああこりゃ駄目だ。さっさと宿にでも連れて行くか。
だけどあのごろつきがいるようじゃこの町に泊まるのはやめた方がいいかもな。

…と、ここで視線を感じる。あ、あんじゅのか。なんか視線が、熱いような。
違う、オレの顔が熱いのか。ってなんでだ!?

「ふふん…坊や意外とやるじゃないの」
「そ、そうか?」
「どう?次はアタイと戦ってみない?強い男と戦いたいの、アタイ」

でぇぇっ、そういうのはちょっと勘弁…
その時新たな客がやって来る足音が聞こえた。そしてガチャ、とドアを開け…


以前見たことのある赤い髪の男が姿を現した。



「あ、あれは…」
「まさか、あの有名な」

客がざわつく。あいつの知名度はよほど高いんだとわかる。
ミッキーとあんじゅはその様子に頭に疑問符を浮かべているみたいだったけど
オレはその姿に懐かしさを覚えた。赤い戦車を操る孤高のハンター。

「ウルフ…レッドウルフ」

ウルフは何も言わず散らかった内部をゆっくりと見渡す。
地面に落ちた酒瓶は粉々に砕け散りナイフが乱暴に壁に刺さったまま。
揉め事が起きたという事は初めてこの場に来たウルフでもわかるだろう。
そして、その犯人がオレ達だということもたやすく見抜いた。武器持ってりゃな…。

「ふっ、うるさいイヌは嫌いでな…吠えるのは庭だけにしてもらおうか」

相変わらずキザに立ち振る舞うウルフ。だけどこの人はオレの恩人なんだ。
たまたま戦車を手に入れる目的でオレがバイオニックポチに喰われかけてるところを
通りかかったから代わりに倒してやった、という見方が正しいだろうけど。
この人の性格じゃオレが声をかけても無視されそうだけど実は憧れている。
あんなぐらいに強いハンターになれたらな、と思っていたらウルフが近づいてきた。
ん?あれ、どうしたんだろう。するとウルフは黙ってオレの襟元をむんずと掴んだ。



ウルフはうるさいイヌことオレ達3人をゴミを捨てるが如くポイと店の外へ放り投げた。
一体何をするのかと思っていたから油断してまた尻餅をついちまった。
その内アザできるんじゃないか?ケツに…
確かに酒場に迷惑かけたから追い出されても仕方が無いか、と納得したけど
あんじゅは納得いかなかったみたいで、肩を怒らせながらまた酒場に入って行っちまった。
ミッキーはといえば…投げ飛ばされたショックで酔いが醒め始めたみたいだ。
落としたメガネを手探りで探していたので拾って渡してやる。
ようやく視界がハッキリして酔いも醒めたおかげかいつもの冷静さを取り戻したようだな。

「あれ、はんた君どうして店の外にいるんだい?」
「ウルフだよ。あいつに外に追い出されたんだ。それで、あんじゅがまた中に入った」
「もしかしてウルフにケンカを売るつもりなんじゃないかな」
「オレ達も追いかけよう」

体中についた砂を払い落とし、再度酒場に入れば案の定あんじゅはウルフにボウガンを向けていた。
だけどウルフは全く動じていない。何も聞こえていないみたいに酒を軽く飲み干した。

「さ、勝負してやろうじゃないの…!」
「…ふん」

ウルフは席を立ち、何をするかと思えばいきなりあんじゅを殴り飛ばした。
あ、と短い驚きの声を上げてあんじゅは壁に背中を思い切りぶつけ倒れこんだ。
ちょっと酷いことするなって思ったけどすぐにあんじゅが身体を起こしたところを見ると
少しは手加減してやったんだろうか。

「あんまり吠えるといい飼い主が見つからないぜ、かわいコちゃん」

背中を向けたまま左手でヒラヒラとあんじゅに手を振り、ウルフは酒場を去った。
だけど出て行く前にオレの顔をチラっと見た気がする。オレの事を覚えているんだろうか。
とりあえずあんじゅは無事か?と、しゃがみ込んで顔を伏せているあんじゅの様子を窺う。

「だ、大丈夫か…?」
「………うおおおおおおっ!!ちくしょぉぉぉぉぉ!!」

女のヒトのはずなのに凄まじい迫力の雄叫び。オレもミッキーも完全にすくみ上がった。
そして立ち上がると同時にオレの背広の襟を掴む。
とてもじゃないけど先ほどケンカする前に見せたお色気なんてありゃしない。
何故かオレに殺気の波動が向けられてる気がした。

「アンタ…旅をしてるんだろ?アタイを連れていってくれよ!
 それであの男をぶん殴って、あいつが乗るクルマを
 スクラップになるまでぶっ壊してやるんだから!!!」


この要求に拒否権は無い。

「わ、わかった…から、とりあえず落ち着いてくれないか?」

ミッキーといいどうして興奮するとこうなっちまうんだ?
とりあえず両肩をまあまあと優しく叩くとあんじゅの呼吸が落ち着いてきた。
気が付くとミッキーが水を入れたグラスを手にしている。こいつさりげなく紳士だな。
あんじゅはグラスの水を飲み干すとふぅ、と一息ついてオレ達に挨拶をしてくれた。

「アタイは“あんじゅ”。坊や達は?」
「オレは“はんた”。それで、こいつは“ミッキー”」
「そう。よろしくね、はんた。ミッキー」

立ち上がったあんじゅはオレ達と軽く握手。
結構律儀…かと思ったけど握力が強いのかオレの手は握手をした後ジンジンしていた。
や、やっぱりソルジャーだなこの人…。ちなみにミッキーはオレの影で手をさすっている。

「ところでこの町に何の用だったんだい?」
「ああ、ちょっと南の方から来てさ。
 情報収集と何か強い武器があればそれを買うつもりだった」

「せっかく3人もいることだしそれぞれ分散して情報を得れば効率的じゃない?」
「そうだな。それじゃこの周辺の情報を聞き出そう」

こういう時に面子が多いといいのかもな。
丁度ビルも3件あったのでそれぞれ散って情報を得ることにした。



そして数十分後、集合場所にしていた酒場の外に再び集結した。
ここには“カエサル”という男がいて、その男は南東のポートスラムに何かを探しているらしく
酒場にいたあのごろつき“エセ”ソルジャーを使って調べさせていたみたいだ。
そしてなんとエンジンを改造できる技術があった!
早速試してみたら積載量がドンと増えて装甲タイルがぶ厚くなった。
これは凄いな。ミッキーも目を輝かせて見ていた。
だけど戦車が2台しか無いので誰か1人が白兵戦を強いられる。
ミッキーと2人旅をしていたときはオレが戦車から降りていたけど
あんじゅは白兵戦を得意とするソルジャー。戦車に乗らなくていいってさ。

「アタイはこれでもソルジャー歴長いよ?まぁクルマの扱いがわからないってのもあるけどさ」
「それじゃ一番歴が短いのははんた君か」
「お前だって町を出てまだ少ししか経ってねえだろ」

小突き合ってるオレとミッキーを見てあんじゅはフフ、と笑う。
あ、なんだろこの空気。姉ちゃんが懐かしく感じられた。
ちなみにあんじゅはオレより年上(何歳かは教えてくれなかった)らしい。
けれど小さい頃からソルジャーまがいな事をしていたのでキャリアは長いとか。
これは心強い味方が仲間になったな。…怒らせなければ、の話だけど。



次の目的地はポートスラム。海に浮かぶコンクリートの埋立地だけど
スラムと言われるだけあってとてつもなくボロい雰囲気がする場所だとか。
カエサルが探しているものってのは何なのかわからないけど
もしかしたら大切なものかもしれないし、戦車だったり…は、しないか。
とりあえず好奇心が向くままに、オレ達は南東を目指した。
出発する前にミッキーが酒場で得た情報をオレに教えてくれた。

『ウルフは誰かを探しているらしい』

…一体、誰のことだろうな?








だから全然進んでないよ!!(涙)またゲーム的に30分。
ウルフがまた出てきた時はうおお!となりました。感動の再会、かと思ったら
ポーンと軽く外へ追い出されたはんた達がなんか笑えました。
なにかはんたに声をかけてくれるのかと思いましたがそこはクールなウルフ、
何も言ってくれなかった(笑)なんか寂しい。
ソルジャーのあんじゅがパーティインですが彼女もまた興奮したらタチが悪いタイプとは
はんたがどんどん苦労人になっていきます。がんがれ。
初対面で「坊や」と言ってたのに仲間になるときには「アンタ」呼ばわりなので
興奮したときだけ「アンタ」であとは姉御っぽく「坊や」でいいかなと思ったり。
つ、次こそ手早い展開になるよう心がけます(汗)


廃墟地ではんた達は何を見つけるのか!

次回を待て!!

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