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MM体験記第壱拾六回  

メタルマックス体験記第壱拾六回です。(ユゲ~ワルゲリョのアジト)


コロナビルを越えてたどり着いた町、“イル・ミグラ”で得た情報を元に
オレ達は南西にある“ユゲ”に向かった。
そこは山賊に占領されてしまったとか。
また、イル・ミグラの酒場にいた踊り子、ナナという女の人はユゲから
逃げてきたらしいんだ。踊っていたから本人と話はできなかったけど、
山賊をどうにかできれば彼女を含むイル・ミグラに移ったユゲの人達も帰れるだろう。



ユゲに向かう途中、川の近くにポツンと建物があるのを見つけた。
これは…ユゲじゃないよな?一軒家だし。
建物の傍に少しボロい波止場があった。船でもあるのだろうか。
何か情報を教えてくれるかも、とオレはモスキートを発進させると、
カチリと高い音が戦車の下から聞こえた。嫌な予感がする…もしかして!

「…やべっ!!」

思わずそう叫んだときにはもう遅かった。オレが踏んだのは地雷。
バゥン、とモスキートが一瞬爆風で浮かされた。とは言えほんの少しだけどな。
こんな程度で大ダメージを負わされるほどこいつは脆くない。
地雷を建物の側に仕掛けているなんて、よっぽど入られたくないんだな…
つまり山賊の根城か何かか。やってやろうじゃねえかよ!
そう意気込んだ時に丁度ミッキーから通信が入った。

「きっと山賊が中にいるよ、気をつけてねはんた君」
「わかってるよ!…ってなんでお前ら地雷踏んでないんだ?」
「ミッキーが金属探知機で地雷の場所を教えてくれたからねぇ」
「…オレだけかよ、踏んだの」

ちぇー、と少しふてくされながら戦車にのったまま小屋で突撃。
中にいたのは勿論山賊のナリをした男達だ。だけど明らかに下っ端っぽい。
イル・ミグラで見たポスターのような強そうな奴なんて見当たらないし、
あくまでここは子分達のアジトってところだったんだろうか。
いきなり戦車が突入してきたもんだから下っ端達はひぃ、と悲鳴を上げて驚いた。

「げげっ!地雷踏んでも大丈夫だったのかこいつら!」
「当たり前だ、こっちは戦車に乗ってるんだからな」
「というかはんた君しか実際踏んでいないしね」
「余計な事を言うなっての!」
「ワルゲリョのアニキーッ!こいつらとんでもねー奴らですー!」

下っ端の1人が部屋の奥に向かって叫んでいる。
アニキ…ということは今度こそ!?
少し時間が経つと、渡し舟に誰かが乗って川をのぼって来た。
そして船から下りると少し小太りの男。…これがアニキなのか。
確かにワルそうな面をしているけれど、こいつもゴメスとかいう賞金首では無いな。
下っ端は舟から降りたワルゲリョの後ろにそそくさと隠れ少し強気になっている。
アニキことワルゲリョは傲慢な態度でオレ達を見据えた。

「来た!ワルゲリョのアニキが来てくれたぞっ!」
「おうおう!よくもオレのカワイイ手下共をいたぶってくれたな!」
「いたぶったって…何もしてないけど」
「いや、『言葉攻め』とかしたんじゃない?はんた君」
「やーんミッキー坊やってば」

オレ達のやる気の無い会話(特にミッキーとあんじゅ)にワルゲリョは
簡単に堪忍袋の緒が切れたみたいで、小屋の奥にあった小型戦車に乗って来た。
オレ達が乗ってるのに比べたら随分とちゃっちいシャシーだ。
ワルゲリョは上半身を戦車から出し下っ端達に向かって手をかざす。

「お前ら!この馬鹿な小僧共をやっちまいな!」
「やられるのはアンタ達だよ!行くよはんた!!」



小屋の中だと狭いのでオレ達はとっさに外へと出た。
地雷はオレが1つ踏んだしミッキーがこっそり排除したので恐れる心配は全く無い。
ワルゲリョの戦車と下っ端も外へとやってきて、戦闘開始だ。

「ミッキー、まずはワルゲリョの戦車が厄介だ!徹甲弾でパーツ破壊を頼む!
 あんじゅとオレで下っ端を軽く片付けるぞ!」

「オッケーはんた君、だけどすぐ援護に来てね」
「派手にやってやろうじゃないのっ!」

オレの指示がインカムを通じて送られ、ミッキーがワルゲリョの戦車の前へ、
そしてオレとあんじゅが下っ端を囲むように動く。ちょっと生身の人間に対して
戦車の主砲を向けるのは気が引けるけど、戦意喪失くらいに手加減してやるからな。
だけど戦車を前にしてもビビらない手下共。肝が据わってるじゃねぇか。

「そんなポンコツ怖かねぇよ!喰らいな!!」

そう言いながら下っ端はバズーカ砲をオレに向かって撃ってきた。
何かの煙がモスキートの周りをモクモクと包み込むけどダメージを受ける感じは全くしない。
だけどオレは気付かなかった。
そのガスが戦車の中に忍び込んで来ている事を。
すぐに反撃しようとレバーに力を入れようとしたけど、突然自分の体が
重くなり始めた感覚がしてオレは戸惑ってしまった。

「はんた!そのガスを吸っちゃ駄目!!」
「え?………ふぁ……あ…」

あんじゅの叫び声が聞こえたけど、なんだかその声が凄く遠く感じる。
そして身体の力が抜け、瞼が重くなってきた。
…まさか、催眠ガス…!?
眠りに落ちそうな身体をなんとかしようとレバーを懸命に握ろうとしても力が入らない。
まだあんじゅが何か叫んでいたけどもう聞こえない。
音量がミュートに近づく。


まずい、寝ちまう…こんな戦いの最中にっ!!


ベシッ!!!!


「いっっっっでぁぁぁ!?」

戦車の中にいるはずなのに自分の左頬に走った衝撃は睡魔を一瞬で追い払った。
痛い…いや、ホントに痛い。赤い手形が残りそうだ。って一体誰がこんな事を?
寝ぼけ眼がスッキリとしたところで目をパチクリさせるとそこにはあんじゅの顔。
あ、怒ってる…そりゃこんな戦闘中に居眠りしちゃあ、な。

「まったく…油断しちゃいけないよ、はんた。
 あいつらはアタイが片付けたよ。危うくハッチを開けられそうだったんだから」

「ご、ごめん…あんじゅ」

いつもより少し低めな声で静かに諭される。確かに、オレの不注意だったな…
あんじゅの言う通り、レーダーには手下達の姿が見えなかった。
どうやらオレが眠ってる間に追い払ってくれたようだ。

少し沈黙の後、オレは重大な事実に気が付く。

1人で十分なスペースに2人が入っている操縦室は流石に狭くて、
オレとあんじゅの身体のところどころが密着していた。
それに気付き思わず顔が熱くなっていると、あんじゅが小悪魔のように笑う。

「ふふ、やっぱりウブだねぇ。さ、ミッキーを助けてあげないと」

そう言ってさっさとあんじゅはハッチを開けて出て行ってしまった。
そうだ、ミッキーがワルゲリョと一騎打ちをしていたんだった!!
ああくそっ!オレはなんでこんな時にマヌケな事を!
その憤りをエンジン音にそのまま転換させ、ミッキーの元へ急いだ。



…だけど、既に戦いは終わっていた。



「遅かったねぇはんた君。こいつ、戦車のあちこち壊しちゃったら
 あっさり降参しちゃってね。君の出番は無しだよ」


パンサーから降りたミッキーの足元には降参ポーズのワルゲリョ。
そしてその後ろにはポンコツになっている戦車。
こいつ、徹甲弾打ち込まくった上に主砲を撃ちまくったのか。
相変わらず見た目にそぐわない派手なやり方だこと。

「いっ、いいいいいい命だけは助けてくれぇっ…!
 ゴメスの親分の隠れ家はでっかい滝の近くだよ…!!」
「命だけはなんとかしてあげる。賞金かかってないしね。
 だけどその前に、ユゲを解放してくれないと困るなぁー」


ミッキーがソニックブーマーをワルゲリョの頭に押し付ける。
うわ、その武器衝撃波出すんだよな。そんなの頭に押し付けるなって!
こいつが仲間で良かったと心底思う。とんだSっ子だな。
ミッキーの脅しにも快く?応じたので今度こそワルゲリョを逃がした。

「でかい滝の近くか…そこに賞金首がいるんだな」

ゴメスの居場所はわかった。と言っても結構大雑把だけどな。
だけどまずはユゲの様子を見に向かう。
ユゲはワルゲリョのいた小屋の西にあった。あれ、ドッグシステムが反応しない。
そういえばミッキーがドッグシステムに登録されるのは
転送装置がある町だけって言ってたな。無い町の方が少ない気もするけど。



ユゲは川のすぐ側につくられた山に囲まれた小さな村だった。
川が近くにある割には水が少ないようで、足場は砂地になっている。
建物の前で見張りらしき男が戸を少しだけ開けてオレ達をじっと見ていたので
どうしたのかと近づいたら、男はすぐに扉を閉めて中に入ってしまった。
一応山賊はいなくなったんだよなぁ…?不安になるぜ、あの対応。
強引に中へ入り、自分達の素性を明かしながら事情を聞くと
ついさっきまで山賊が我が物顔でこの村を占拠していたらしい。
でも下っ端の男がやって来て、ワルゲリョがオレ達に倒されたことを伝えると
大人しくなったとか。なるほど、一応約束は守ってくれたみたいだな。
山賊の下っ端達はユゲから出て行ってはいないみたいだけどワルゲリョがいなけりゃ
もうふんぞり返ることなんてできないだろうからもう大丈夫だろう。
さっきの対応はまだ警戒していただけだったということだろうしな。



その後イル・ミグラに戻ると、町はワルゲリョを倒しユゲを解放した
オレ達の話で持ち切りになっていた。すっかり英雄扱いだな。
そういえばナナにもこの事を伝えよう思い、2人が買い物に出ている間に
酒場へ入って彼女の踊りが終わるのを待つ。
そして終わったのを見計らって楽屋に入り声をかけた。
勿論ワルゲリョの件も彼女の耳に届いていたようで、朗報に彼女は
にっこりと笑った。その顔にオレも満足感を覚える。

「あなたがワルゲリョを倒してくれたのね。私の父は山賊に殺されてしまったの…
 でも、これで父も喜ぶわ。ありがとう、はんた!これはほんの少しのお礼よ」

ナナは優しく微笑んでオレの首に腕を回すと左頬に軽くチュ、とキスをした。
はじめそれが何かとわからず疑問符を浮かべまくったが徐々にそれを理解して
オレは本日2回目の真っ赤な顔をつくりだしてしまった。
しかも、ナナの唇が当たった箇所は先ほどあんじゅのビンタが炸裂したところだった。
慌ててオレは酒場を飛び出す。も、もうこんな顔見られてたまるかっ!


酒場を出るとあんじゅが待っていた。あ、買い物終わったのか…
赤くなった顔を見られまいととっさに顔を逸らそうとしたけど、そうする前に
あんじゅが突然近寄りオレの左頬にそっと手を当ててきた。
その表情はビンタをかましたあの時とはてんで違い、申し訳無さそうな顔で。


「はんた、その…さっきは本気ではたいちまってゴメン。
 これはほんの詫びだよ」


って待って!これさっきのと同じ展開…!!!!










「あーあ、姐さんとどめ刺しちゃ駄目じゃん」
「ははっ、こんなんじゃ女の賞金首は倒せないだろうねぇ」

本日、左頬にビンタ1発キス2発。

オレは物凄い幸せな気分でイル・ミグラの地面に突っ伏していた。







待て、な ん だ こ の ア ホ な 展 開 は
いつも以上に変な面がたくさん出てしまっています、すみません(笑)
ナナのキスだけがゲーム上本当にあるシーンです。
下っ端の催眠ガスには見事にやられました。ああいう対策練っていなかったので(汗)
いくらモンスターハンターと言えど人を主砲でぶっ飛ばすのはなんかなぁと思って
ビビらせて逃がすとか少しケガを負わせるとかそんな程度にしております。
強い者こそが正義というメタルマックスの世界じゃなんという糖分の高い
考えだとは思いますが、自分の考えるはんたならそうするかなと思いまして。
ちなみに本当はユゲに先に入るのが正しかったんでしょうけど先に見えたのが
アジトだったためこちらに先に入ってしまいました。
なので実は占拠されていた頃のユゲの様子がわかりません。なんてこった(笑)
そしてなんかはんたとあんじゅの間に変なフラグ立った気がするけど忘れておきます。
ミッキーは完全ドSです。怖い。でもチーム最年少。もっと怖い。


ゴメスの居場所を突き止めることに成功したはんた!

奴との対戦はいつになるのか!

次回を待て!!

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