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MM体験記第弐拾四回  

メタルマックス体験記第弐拾四回です。(カナベル~ゴーストベース)


カナベルという町へ向かう前に、ちょっと思い出した用事をこなそうと思った。
以前ポートスラムで出会った戦車を売っている男だ。
あの時見えた巨大な戦車…買えないかなと思ってさ。
こっちはダストフランケンを倒して手に入れた賞金とモンスターから巻き上げた金がある。
早速オードリーの南にあるポートスラムでおっさんと久々の対面。
そしてミッキーがあれこれおっさんと交渉を続けた結果、80,000Gで落とせた。
ようやく念願の戦車を手に入れられたものの、なかなか出費がデカいな…
ちょっと節約しないと。

「んで?名前はどうするのさ」
「うーん…そうだなぁ…」

水色の綺麗なシャシー。だけど積んである主砲はとても逞しくて心強い印象を与えた。
何回か頭を傾げ、脳内で会議を繰り広げた後ポン、と軽くシャシーを叩いて呟く。

“セブンバスク”

新しい戦車にそう名付ける。
あ、6台目はRウルフだからこれが7台目になるんだ。だから7の数字。
ま、どうせこいつはまたシャシー名で呼ばれるから“タイガー”になるんだけどな。
そしてタイガーはあんじゅが乗っていたバンと交換した。
おっさん曰く、かなり使えるらしいとか。期待してるぜ。



準備を整え砂漠地帯へ再び足を踏み入れるけど相変わらずここのモンスターは硬い。
グラマータイガーにATアルマジロ、ATエレファント…装甲まみれな顔ぶれだけど
スローウォーカーっていう亀が大砲をくわえたモンスターは物凄い大金を隠し持っていて驚いたな。
そんな奴らと交戦しながらBSコントローラーを頼りに南下していけば砂漠から緑の大地へ。
するとこの辺りで出てくるモンスターは巨大アリやうろつきポリタンなど、リオラド付近と同じ顔ぶれ。
やっぱり近いから生息しているモンスターも同じわけか。
今のオレ達にとっちゃザコ以下だけどな。蹴散らすのが悪いぐらいだぜ。
そのまま道なりに進むとようやく町が見えた。ここまで来るのに時間がかかったな。
ドッグシステムに町の名前が記される。
これでこの町に転送されることができるようになった。


“カナベル”


湖の上にポツンと浮かぶ島の町。随分と穏やかな空気が流れていると思ったその時、
突然ふくらはぎをべちんと蹴られ思わず身体が飛び跳ねる。

「いってぇ!おいミッキー何しやがる!!」
「え?僕じゃないよ」

とっさに後ろにいたはずのミッキーを怒鳴ったがそこにミッキーはおらず、
代わりに右隣から返事が来た。あれ?お前じゃないのか。
あんじゅは…そういう事をこんなタイミングでするはずが無いだろうし、一体誰だ!?
するとオレの脇を小さい何かがシュッと通り過ぎる。その後ろ姿は…ガキか。
くそっ、なめやがって!小さいからオレの視界には入らなかったわけだ。

「あっかんべ~!」

ガキは振り返ってオレに舌を見せ、そのまま家の中へ逃げて行きやがった。
いきなりこの仕打ち…どっかのモンスターにホロチャージを撃ちこみたい気分だ。
ふるふると腕を震わせているとそれをなだめるようにあんじゅの手がオレの肩に乗る。

「イタズラ好きな子供ってのはどこにでもいるもんだよ。きっとあの子もだろうね」

あんじゅは冷静な目でガキを見据えていたけど、もうオレにはあのガキが
小悪魔にしか見えない。くそっ、あんなだからガキは嫌いなんだよ…。
まあまあとミッキーにも諭されオレはさっきの事は無かったことにするよう努める。
そしてハンターオフィスや酒場を回って情報探しを始めた。

「この“ロンメルゴースト”なんか凄い賞金額ですよ。ただこの辺にはいないでしょうし、
 いるとしたらきっと北の砂漠地帯でしょうね」

穏やかな感じの従業員から見せられた1枚のポスター。
土色の曇った戦車、その名は“ロンメルゴースト”。…幽霊?
賞金額は160,000G!100,000Gを越える賞金首は初めて見た。
だけど相手は戦車なのか…かなりの強敵だろうな。でもその賞金はいただきたい。
ふとなんか見覚えがあるような隣のポスターの絵が気になった。
赤毛のサングラスかけたサルが火炎放射器を背負って…あれ?

「サルモネラ一家ならオレが倒したはずだけど」
「あ、これは“サルモネラ本舗”ですよ。サルモネラ一家は“はんた”というハンターによって
 倒されたと聞きましたが」
「…そのハンターがオレなんだけど」
「え、あっ!?こ、これは失礼。それなら是非ともこのサルモネラ本舗も倒していただきたい。
 この辺はのどかな地域ですがこのような賞金首がどこかにいると思うと心配でなりませんので」
「まかせておきな。本舗もとっちめてやるぜ」

2匹の賞金首の情報を得てハンターオフィスを出ると、ミッキーとあんじゅが待っていた。
2人も何か情報を得たんだろうか。ミッキーが肌身離さないBSコントローラーを開くと、
目的地を指差して説明を始めた。これも最近ずっとよくあるやり取りだ。

「カナベルから北西に行くと昔軍隊の武器を作っていた工場があるんだって。
 今は“ゴーストベース”って呼ばれてるけど。そこには戦車もあるらしいんだ」

「軍隊の戦車か…優れた戦車かもしれないな、行ってみようぜ」
「あ、それからさっきの子供…“ヒミオ”っていう子なんだけど、どうやらいじめられっ子らしいよ。
 しかもその鬱憤晴らしが火遊びだってさ。危ない子みたいだねぇ」

「はんた君、火付けられなくて良かったね」
「人に火付ける馬鹿はいないっての。本当の火事起こしたらやばいけどな」

まあいい、ヒミオっていうガキよりまずゴーストベースで戦車を探してみないと。
ロンメルゴーストに対抗できる強い戦車ならいいんだけどな。
相変わらず弱いモンスターを副砲で軽く蹴散らして北東にあるゴーストベースへ向かった。



ん?なんか柵に囲まれた家があるな。だけど入れない…入らないほうがいい建物なんだろうか。
そいつはまず無視してゴーストベースの中へと乗り込むと、GIスケルトンやゾンビアーミーなど
かつてここにいた軍人がモンスター化して襲い掛かってきた。
特にGIスケルトンのバズーカはかなり強烈で、一気に装甲タイルが剥がれ落ちる。

「早いとこ戦車を見つけておさらばした方が良さそうだな…」
「そうだねぇ…。あ、はんた、こっち!」

あんじゅのタイガーがゾンビアーミーを吹っ飛ばしながらとあるゲートへ向かうのをオレとミッキーも追う。
…とと、戦車は入れないか。ここでGIスケルトンに出くわしたら最悪だろうな。
警戒しつつゲートの中にある階段を上るとそこにいたのは…

「ひっ!!!」

あんじゅが驚いてオレの腕にしがみつく。そんな仕草にオレが動揺するじゃねえかよ…
気持ちを落ち着かせて再度よく見ると足が消えてる軍服を着た男。つまり、幽霊。
幽霊ってことは攻撃が効かないんだろうか、挙句の果てには身体にのっとられたりして、
とかあれこれ考えていたけど幽霊はただ下を向いて動かない。
それどころか耳をすますと規則正しいリズムの寝息が聞こえた。

「すー、すー…」
「ゆ、幽霊って寝るんだ」

思わずミッキーが小声で突っ込む。オレもそう思ったけど、まず起こさないようにそっと階段を下りた。
この建物はどうやら軍人の寮みたいだな。目ぼしい物は何も無かったし、とりあえず他をあたるか。


下の階にあった小部屋にはロボットがいた。警備ロボかと思ったけど
こちらには目もくれずひたすら木箱に積んである武器を勘定している。
どうやら武器の管理をしているロボットのようだ。

「一体いつからああいうことしてるんだろ?」
「さあな。第一ここがいつからあったのかもわからねえし」

東京タワーを作った技術と同じ、今は誰も知らない技術。
しかもここに生きている人間は誰一人としていない。それなのにただ黙々と
与えられたプログラムに従って無意味な作業を繰り返しているのか…
こいつがなんだか凄い寂しい奴に見えてきた。
更に探索を続けると、ベルトコンベアがあった。勿論これに戦車は乗せられない。
またもや白兵戦の準備か。ひとまずモンスターは人間のオレ達に反応して
襲い掛かってくるから戦車には流石に攻撃してこないだろう。

「とりあえずここに置いていくしかないな…」

Rウルフ、パンサー、タイガーを置いてオレ達はベルトコンベアに乗り奥へ向かう。
その途中たくさんの武器を見た。どうやら戦車のための武器だな。
それがあるってことは…戦車も。
たどり着いた先はどこかの通路。扉がロックされていたので傍にあるコンピューターで
ロック解除をするとオレ達の目の前に青い車体の戦車が現れた。こ、これは凄い。

「かなり前に作られたはずなのに、全然古さを感じないよ…」

ミッキーがあちこちを触って確認している。その瞳はいつも以上に興味深そうだった。
しかもすぐに身軽な身のこなしで戦車の中に入り込んだし…オレら無視かよ?
確かにホコリこそ被っているけれども超重量級のシャシーにオレも見とれてしまう。
あんじゅはソルジャーだからオレらより興味は薄いみたいだけど、あの巨体に
圧倒されてるみたいだな。…とりあえずミッキーからの連絡を待っていると、
ちょっと喜びの色が混ざった声で通信が入った。

「エンジンが付いてるんだ。今すぐ動かせるみたい」
「よし、運転を頼む。あとは上の階に戻って置いてきた戦車を回収しないとな」
「待ってよはんた君。まだやることがあるでしょ」
「……命名タイムだね?はんた。今回2回目じゃないの」
「わかったよ、もう今回で最後だといいんだけどな」

オレはそのシャシーをじっと見つめる。
この工場で作られた最強の兵器。だからふさわしいのは最強の武器の名前。
そして決めた名前は…

“エスブレード”

「ようやく剣が出たかぁ~」
「い、いいじゃねえかよ!ほらさっさと動かせ!!」

ゴンゴンと8台目の戦車、“Kタイガー”(ポートスラムで買ったタイガーと似てる…か?これ)の
車体を軽く拳で叩いてミッキーに伝えるとKタイガーはキュラキュラと動き出した。
全然古さを感じさせないな、オレらが整備してる戦車となんら変わらないぞ。
まさかあの幽霊達が整備していたりしてな?だとしたらミッキーまずいんじゃ…
よし、今の考えはよしておこう。



階段を上っていくとゴーストベースではないところへ出た。
あれ?どうなってるんだ??
ここはさっきゴーストベースに入る前柵に囲まれて入れなかった建物じゃないか。
とりあえず怪しさを纏うその建物にも入ってみると、いきなり人型ロボットがお出迎え。
思わず武器を構えたけどそのロボットは首を傾けオレ達の行動を不思議がっていた。

「…どうやら敵ではなさそうだね」

あんじゅはそう言って武器を下ろす。ロボットは自分を“サタデー”と名乗り、
ここが研究所だということを教えてくれた。
そして机に向かって何かをいじっていた唯一の人間…“ヤミクモ博士”というらしい。
白髪頭で研究者らしい牛乳のフタみたいなぶ厚さのメガネをかけた老人に声をかける。

「あのー」
「レンズ!レンズ!レンズ!光がこうビシューときてビュルルルルとな、わかるな!?」
「へ?え、えーと、えぇ??」

博士はぐるりとその身をひねるといきなりワケのわからない事をオレに向かって言ってきた。
一体これにどう「はい」「いいえ」って答えろっていうんだよ、と曖昧な返事をしたら
突然博士の目の色が変わった。悪寒がする。

「そうだよね!これからワシと君はレンズ友達!!」
「はんた君、適当に返事しちゃいけないと思うんだけど」
「だってよぉ…」

後ろから聞こえるミッキーの呆れた声。あんじゅもため息をついている。
ヤミクモ博士に両手をぎゅっと握られオレはそこから離れられなかった。
オレの困った顔なんか気にせず博士はベラベラとレンズについて語り出した。
勿論そんなの聞いてない。寧ろ聞いてもわからない専門の知識の世界だ。
だけど最後の一言は気になったので記憶しておくことにする。

「レンズが3枚以上あればものすごいのが作れるんじゃ!レンズを見つけたら持ってくるんだぞ」
「わ、わかった。オレ達急いでるから…それじゃ!」

なんとか博士の熱い握手から逃れ研究所を出る。
レンズ…か。そういえば何枚か見つけていたな。
だけどそれはリオラドのトランクルームに預けたままだった。あれのことだろうか?
とりあえずゴーストベースに置きっぱなしだった3台の戦車も回収して一旦カナベルへ。



転送されて着いた町は先ほどの穏やかな感じなど微塵も感じられなかった。
町人全員が建物から出ていて同じ方向を見つめ騒いでいる。
こんなに人が集まるなんて大きな災害ぐらいしか思いつかないな…

「火事だー!!」

町の人たちががやがやと騒いでる中そんな声が聞こえたので
やけに明るい方向を見れば、そこはカナベルの東…つまりリオラドとの間にある山だ。
もうもうと立ち込める黒煙、赤い光。かなりデカい山火事じゃねえか!
自然沈下を待っていたらこの辺りの森はリオラド付近含め全部無くなっちまう。
リオラドを焼け野原にさせてたまるか、町人のように立ち往生なんかしてられない。

「なんとかしないと…!」
「そうだ、ハイドロポッドだ!サンタ・ポコで売ってたのを見たことがあるよ!」
「サンタ・ポコか…わかった、オレが行って来る!!」

Rウルフにドッグシステムが積んであるけどあいにく今は装甲タイルの補充中だ。
こうなったら生身でも転送してくれる転送装置を使うしかない。
町の隅にあった小さな建物に入り、転送装置を作動させ目的地をサンタ・ポコへ。
ミュイーンとおかしな音がする転送台へ足を乗せるとドッグシステムと同じ感覚が全身を包む。

急がないと…急がないとリオラドまで被害が及んじまう!!

焦ってきたその時、突然コンピューターがやかましい警報音を鳴らしだした。
そしてアナウンスが入る。こ、これは一体!?

「テンソウジコハッセイ!テンソウジコハッセイ!」
「なっ…マジかよ!!!!」

だけどオレの視界がどんどん歪んでいき、転送を始めるその台から動けなくなった。
普通の転送とは違う荒々しい転送…身体が千切れちまいそうだ…!!

「はんた!?」

あんじゅらしき姿が見えたけど、それももうすぐグチャグチャになった視界から見えなくなって。
思わず手を差し伸べたけどその手はあんじゅに触れることすらできず…

「うわあああああああああっ!」
「はんたーーーーっ!!」

そこでオレの意識は吹っ飛んだ。







カナベルの前にポートスラムの戦車買い。あれって8万と攻略本にあったのですが
実際はもう少し安くても買えたとか否とかでがっくり。スローウォーカーで稼いでたとはいえ…。
ゴーストベースの幽霊にはびっくりしましたが寝てるとかなんとも緊張感の無い奴らで(笑)
でもその辺がメタルマックスらしいかもしれません。GIスケルトンに白兵戦は怖い。
Kタイガーとタイガーはシャシーが近いのか何なのか知識不足故わかりませんがちょっと見分け辛そう(汗)
そしてはんたの絶妙(ミッキー談)命名タイムは今回で終了です、ご愛読ありがとうございました(笑)
バスクは、その、アレです、バズーカが変な変形を起こしてなった形でして。気になさらず!
ヤミクモ博士のレンズ友達はわけもわからず「はい」にしたためいきなり友達になりました(笑)
サタデーの話し方忘れた…!!カタカナだったような気がしますが(汗)あとで更正します…
んで、ここで転送装置です。本当は別のタイミングで使いましたがネタ的にここで。
ちなみにハイドロポッドを使えと教えてくれるのは宿屋にいる人でして、勝手にミッキーが代弁(笑)


転送事故で姿を消したはんた!!

一体どこへ飛ばされてしまったのか!

次回を待て!!

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