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MM体験記第弐拾五回  

メタルマックス体験記第弐拾五回です。(ヨシダ生命科学研究所~焼け跡の工場)


頬に当たる冷たい感触に目が覚めると、どうやら転送台の上でぶっ倒れていたようだった。
むくりと起き上がって周りを見渡してみる。全く見覚えの無い部屋だな。
ええと、どうしてまずこんなことになったんだっけ、と記憶の糸を手繰り寄せる。
カナベルの近くで山火事が起きて、ハイドロポッドをサンタ・ポコまで買いに行こうとして
転送装置を使ったら突然転送事故が発生して…それで、ここに飛ばされたってとこか。
それにしてもここはどこだろう?
一応雰囲気は他の町の転送装置があるものと変わらないけど全く人の気配がしない。
しかも、しんとした静寂がなんだかとても気味悪い。

「とりあえずここから出てみないとな…」

変な感覚の転送だったけど身体に異常は無し。あんな転送はもう懲り懲りだぜ。
階段を上ってみれば研究所のような内装だった。
こう、人工的なもので敷き詰められてるというか。
そしてやはり人がいる感じはゼロだ。寧ろ廃れてないか?ここ…
人はいなくてもモンスターはいるかも、と武器を確認したら手ぶらだったことに今更気が付いた。
うわ、オレ何やってんだよ…いくら父ちゃん譲りのプロレス技があるとはいえ勝ち目は無いぞ?
ちょっとビビりながら寂れた研究所内をうろつくと、突然後ろから足音が聞こえた。

「誰だ!?」

叫びながら振り向くと…あれ、あんじゅ…?

「あんじゅ?どうしてここにいるんだ…?」
「はんた!」

ゴンッ

「いっっっっ!?」

あんじゅはオレの名前を呼ぶと同時にゲンコツをかましやがった。
いくら女とはいえソルジャー、父ちゃんの拳にも劣らない威力…というか星が見えるぞ…
ヘルメット越しに響く痛みに頭を思わず抑えていると、今度はあんじゅの二の腕に抱きしめられる。

「あ、あんじゅ?」
「もう…何やってんだい、はんたの馬鹿!後先考えないで行動して…
 こういう事故が多発してるって聞いた事無かったのかい!?
 アタイとミッキーがこの間リオラドに来た時はたまたま何も起きなかったけど…!」

「ごっ、ごめ…」

あんじゅの厳しいけど優しさも含まれた罵声にオレは思わず怯んでしまった。
だけどあんじゅは腕の力を緩めず、オレをぎゅ、と包み込んだまま話し続ける。

「リオラドが心配だったんでしょ…でも、無理しちゃいけないよ。
 ゴメスのアジトみたいに1人で突っ込んで大怪我するのはもう嫌なんだからね。
 アタイもミッキーも、アンタが大事なんだから」

「………」

やっぱりオレの考えていることって簡単にバレるのか?あんじゅにまで筒抜けだなんて。
でも、まさかあんじゅはわざわざ危険を冒してまでここへ来てくれたのか…?
呆然としているオレの反応に気付いたのか、あんじゅはヘルメットを軽くポンポンと叩いて
ようやく解放してくれた。オレから目を逸らすあんじゅだったけど、頬が赤いのがすぐわかる。
勿論、オレもなんだけど、さ…

「さ、ここから出るよ!早いとこハイドロポッドを買わないとね。
 それとはんた、本当に後先考えないで動いたねぇ今回」

「どういう意味だよ?」

あんじゅはポーチから見覚えのある入れ物を取り出してオレの目の前に見せ付けた。
それは、オレが毎回管理している財布だった。
もしあんじゅが来てくれなかったらオレは財布を忘れて町まで出かけたハンターになるところだったな…
研究所っぽい建物を出ると、看板には“ヨシダ生命科学研究所”と書かれていた。
一体ここでどんな研究をしていたのかはわからなかったけど、この場所には見覚えがある。

「ここは確か…」

ミッキーと冒険をしていた頃だったな。
ビッグキャノンと戦う前にポブレ・オプレ付近を探索していたらたまたま見つけた建物。
その時は薄気味悪い感じがしてすぐにそこから立ち去ったんだ。
ということは…

「近くにポブレがある!転送装置があるはずだ」
「そうだね…カナベルに戻ろう。今なら戦車のメンテナンスも終わってるはずだよ」
「ってそれじゃオレが転送装置を使った意味無さそうじゃねえか…」
「まあまあ、その行動力は認めるからさ!」

あんじゅは軽くオレの背中を叩いたつもりだったけどオレにとっては
普通の攻撃と変わらない威力に感じた。ちょっとむせそうになるのを堪える。
長いことこの辺は歩いていなかったけど記憶だけでなんとかポブレにたどり着き、
不安だったけど転送装置でカナベルへ。



今回は何も起きず素直にカナベルに移動できた。なんだかもうおっかなくて使いたくないな…
建物を出て水色ツナギの小さい奴を探す。お、すぐに見つかるなぁあいつ。

「ミッキー!Rウルフはメンテ終わったか?」
「え?終わってるけど山火事も終わったよ」
「は?」

ミッキーのあっけらかんとした返事とその指が差す方向へ視線を向けると、
山火事は鎮火していて、黒焦げた木からぷすぷすと細長い白い煙が立ち上っていた。
ポカーンとしているオレとあんじゅをじろりと見てミッキーは説明を始める。

「はんた君が転送装置の建物に入って、その後を姐さんが追いかけた後に丁度メンテナンスが
 終わってね、僕も少し持ち合わせがあったからRウルフを借りて先回りしていたんだ。
 サンタ・ポコで会えるかと思ったけど、どこに行ってたのさ?2人で


どうも『2人で』というところが強調してるように聞こえたんだけど…オレとあんじゅは顔を合わせて苦笑い。
研究所に飛ばされて再生カプセルを拾って他は特に何も無くカナベルに戻ってきただなんて
言ったら久々にソバットが飛び出しそうだ。

「それで、火事が鎮火したら森の中に変な建物があるのを見つけてね。行ってみない?」
「変な建物?」
「そうそう。噂によるとなんかその建物の近くが特に激しく燃えてたみたいなんだ。
 あのヒミオっていう子供の仕業だって町の人は言ってるけどもしかしたら…」


ミッキーの言葉にオレはふと火と縁があるあのポスターの絵を思い出した。
サルモネラ一家、じゃなくて本舗か?あいつも火炎放射器を持っている。
もしかしてそいつが?

「行ってみようよ!賞金首がいるかもしれないんだろ?」

あんじゅは既に乗り気みたいだな。早速戦車に乗り込み謎の建物へ向かった。



建物に近づくと焼け焦げた臭いが一層強まった。そして遠くにリオラドが見える。
それは山火事の範囲の広さを物語る光景だった。
この様子だとこのまま突っ切ることもできそうだけど戻る意味は無い、すぐに目線を戻し
建物をよく見ると工場のような概観。全体的に広いから戦車でも悠々と通れそうだな。
ウイルスバットとかフロッピーディスクにコウモリの羽が生えたような変なモンスターと
戦いながら地下へ下りると突然警告音が鳴り響く。
転送事故の時に聞いたそれと似ているからちょっとビビったじゃねえかよ。
だけどそんな程度で引き返してたまるか、と先へ行こうとすると監視メカが現れた。
これの警告だったのか、でもモンスターより遥かに弱いのであっさりと破壊して
ポンコツになったそいつらの脇を抜け、更に地下へ向かうと倉庫のような部屋に着いた。
ここが最下層みたいだな。
さて、サルモネラ本舗はどこに…と探す前にあちらから姿を見せた。
リオラドの北の洞窟で戦ったサルモネラ一家と同じ火炎放射器を背負ったサル。
だけど一匹にも関わらず強そうな雰囲気を醸し出しているな。

「さて、早速狩らせてもらうぜ!」

オレはRウルフのレバーを力強く握り、主砲を浴びせた。2人も攻撃を開始する。
やっぱり賞金に相当する強さを持った奴だ、あれだけ攻撃してもまだ倒れないとはな。
そして反撃と言わんばかりに火炎放射をこちらへかましてきた。
うわ、熱が操縦席まで届いて暑苦しい。それよりこの車体を黒焦げにさせてたまるかよ!
だけど逃げ回るサルモネラ本舗に苦戦している内に、戦うには少し狭い倉庫の荷箱へ
どんどん火が燃え広がり辺りが炎に包まれ始めた。
このままじゃ工場ごと無くなっちまう…!
汗を姉ちゃんのタオルでふき取って冷静を保たせ、ある事を思いつく。

「そうだ、ミッキー!ハイドロポッドはあるのか?」
「あるよ。念のためにって余分に買っておいたのが」
「よし、それを撃つんだ!あいつに向かって」

え?とか戸惑った声が聞こえたけど早く、と急かすと
ミッキーがKタイガーのハッチを開け少しだけ身を乗り出してハイドロポッドを放つ。
打ち上げ式降雨機だからこの狭い屋内じゃ山火事を消すようなデカいことはできないけど、
サルモネラ本舗の持つ火炎放射器に支障をきたすことはできるはずだ。
予想通り、火を放つことができなくなった哀れな賞金首は己のツメと牙で襲いにかかったけど
戦車に対してその行動はあまりに愚か。ホロチャージで葬ってやった。

「危なかったねー、このままだと工場が丸焦げになるところ…」

ミッキーが妙なところで言葉を詰らせたので一体どうしたのかと思いKタイガーの方を見ると
部屋の隅にあるコンピューターの電線に火花が走っていた。そしてその火花が煙と共に
どんどん大きくなってくる。これってもしや…背筋を嫌なものが突き抜けた。

「爆発するぅぅぅぅぅ!!!」
「はんた!ドッグシステム!!!」

あんじゅに言われる前に既にオレの手は反射的にドッグシステムへ伸び、
転送ボタンを連打して工場の外に転送させる。屋内だから外への転送が限界なんだ。



外へ転送され少しでも遠くへ、と戦車を走らせた後のことだった。
工場がボン、と大きな爆発を起こしガラガラと崩れ落ちたのは…。
なんとか助かったんだな、と互いに顔を見合わせてほっとする。

「とりあえず、カナベルに帰ろうか」

あんじゅの言葉にオレとミッキーは同時に首を縦に頷かせた。






転送事故を混ぜてみたらなんだこの展開VOL.?(笑)
しかも某国民的アニメのフレーズ拝借してます、一体どんだけうっかり屋な主人公なんだ。
ハイドロポッドがどんなものなのかさっぱり予想できず大辞典さんから解釈。
中に水とか消火器系のやつが入っていて打ち上げるとかそんなイメージ。でも実際はやっぱり不明。
いつまで経ってもバトルシーンが迫力ある感じを出せないのがなんとも、
つか賞金首を倒す方法に毎回四苦八苦してるのはバレバレだと思われます(笑)
そして工場破壊させました。勿論こんなのありえませんので…!!


山火事を鎮火させ、サルモネラ本舗を倒したはんた達!

彼らの前に立ちはだかる賞金首はまだいるのか!?

次回を待て!!

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